潮音寺

潮音寺は徳島市西山手町に建つ、臨済宗妙心寺派の寺院です。

元々は官寺、つまり国が保護する公的なお寺のひとつでした。国府町矢野に僧寺、名西郡石井町に尼寺がありましたが、のちに私寺となり現在の地に移りました。

潮音寺の近くには徳島眉山天神社がありますが、実はこの神社の起源は文化6年(1809)、潮音寺のご神像であった渡唐天神木象を祀ったことからと伝わっています。徳島天眉山神社は恋愛成就や合格祈願にご利益あり。そしてとてもかわいいカラフルな御朱印も人気があります。

潮音寺は日本の文化を西洋に紹介したポルトガル人ヴェンセスラウ・ジョゼ・デ・ソウザ・モラエスの墓所でもあります。

モラエスが日本に来たのは明治22年(1889)。神戸と大阪で初代領事を務めていました。そこで徳島出身の芸者おヨネと恋に落ち、二人は結婚しました。おヨネが亡くなったあと、モラエスは徳島へ移り、おヨネの姪にあたるコハルと共に、純日本的な生活をしながら文人として活躍しました。

代表的な作品に『おヨネとコハル』や『茶の湯』、『徳島の盆踊り』などがあります。

また、潮音寺には幕末の蘭学者、井出三洋の墓石も安置されています。

アクセス：ロープウェイ前バス停より徒歩3分。西大工町二丁目バス停より徒歩4分。徳島駅より徒歩11分。