3LDK
リビングダイニングキッチンの他3部屋がある物件です
不動産広告で、家族向け物件としてよく見かけられる間取りであるのが3LDK(さんえるでぃーけー)です。かつては、家族で暮らす物件での豊かさの象徴として、形容詞的に使われてきたこともある語です。
国内の不動産広告に限って言えば、3LDKは、リビングダイニングキッチンを兼ねた1部屋や、居間や食堂室、台所室の他に、3部屋の居室(きょしつ)があることを表しています。
LDKは、日本では一般的にリビング(居間)とダイニング(食堂)とキッチン(台所)が1部屋となっているものを表します。そのため3LDKという表記の場合、LDKで1部屋と居室は3部屋、1LDKならLDKで1部屋と居室は1部屋です。
この数字=居室とは、寝室や子供部屋などに使える、各種の基準を満たした部屋の数を表しています。
物件にもよりますが、ひとが暮らす部屋には、明るさやドアの開口部分の大きさ、窓の有無、面積や位置など、満たさなければならない基準が様々あります。これらを一般には居住性と呼びますが、この基準を満たしている部屋で、LDKや風呂トイレといった水回り設備ではないものを居室と呼びます。
ちなみにこれらの基準を満たさない空間は、通常S(サービスルーム)、フリースペース、納戸などとも呼ばれます。いずれも設計上、比較的狭い空間となってしまうことが多いため、単に狭ければSやフリースペースなどと呼ばれることも多くありますが、必ずしもそうではありません。非常に広いサービスルームなども存在します。
本来なら「LDK1部屋」のほか「1つの部屋がある」ことを表示するはずです。しかし、非常に広くゆとりある間取りで、大型の居間1部屋、食堂室1部屋、台所1部屋と更に1部屋があるようなケースでも、1LDKと表示されることもあります。
実はこの、DKとLDK表示については、まだはっきりと各社で表示が分かれていません。ダイニングとキッチン、リビングのうち、いずれかが独立した部屋になっていてもL+DKやLD+KではなくLDKといった表示のものもあります。
ただし、不動産業界には、お部屋探しの広告に表示する際に適用される規定「不動産の表示に関する公正競争規約」があります。この中に、LDKなどの最低限の面積をあらわす広さの規定があります。
「居室の数が1部屋の物件の場合DKは4.5畳以上、LDKは8畳以上の広さが必要」「居室の数が2部屋以上の物件の場合、DKは6畳以上、LDKは10畳以上なければ、DKやLDKとしては表示できない。」
そのため、3LDKという表示があれば、少なくとも10畳以上のLDK1部屋は存在すること、3DKという表示があれば、少なくとも6畳以上10畳未満のDKが存在することだけは確かです。またLDKの面積ベースで言い換えれば、1LDKなら8畳以上、2LDK〜なら10畳以上と、広さに違いが生まれてきます。
住宅の設計は、一般的には夫婦を基準にして考えます。住宅内に必要不可欠の設備の他、夫婦のための寝室。そして他にどんな部屋が必要かを、住まう人の数や世代などを中心に考えていきます。
3LDKは子供が生まれ就学した世代や受験世代、就職後も自宅住まいといったご家庭や、おじいちゃんおばあちゃんを含めて暮らす大家族にとくに人気がある間取りです。また、農作業や在宅勤務で多数の人が集まることがあるといったご家庭にも大変人気です。
壁や扉で仕切られた3つの居室をそれぞれ、夫婦の主寝室の他、子供部屋やおじいちゃんおばあちゃんの部屋、来客専用部屋として使うことができるため、アレンジが自在なのも便利です。さらに、散らかった部屋は扉を閉め切ってしまえば、残る室内全体がすっきりしたイメージで暮らせます。
特に家族全体の年齢層が若いときには、広い間取りや複数の細かく分かれた間取りでも、感じられる広さに違和感はありません。子供の成長や父母世代の高齢化などに伴って、同じ間取りでも空間は狭く感じられ、暮らし方にもかなり違いが出てきます。
LDKとして一つの空間を好むか、L、D、Kと各居室が細かく分かれた空間を好むかは、それぞれのご家庭の世代や身体サイズ、生活スタイルの違いでかなり大きく分かれてくることも、念頭に入れておくとよいでしょう。