不燃/準不燃/難燃/防炎
消防法や建築基準法、JIS L 0207に定められた燃えにくさや炎の出にくさを表す用語です
不燃(ふねん)/準不燃(じゅんふねん)/難燃(なんねん)/防炎(ぼうえん)とは、建物などに関連する燃えにくさや炎の出にくさなどを規定するものです。
「建築基準法 防火規定」「消防法 防炎規制」などにそれぞれ規定されています。またこれを満たす製品の規格として「JIS L 0207 繊維用語(染色加工部分)」の機能加工に規定があります。
「建築基準法 防火規定」では、不燃材料/準不燃材料/難燃材料の3つの規定があります。
いずれも一定時間、延焼せず、防火上有害な変形等が発生しないこと、避難の妨げとなる煙やガスが発生しないことを基準としており、建設省告示第1400号(平成12年5月31日)ならびに国土交通省告示第1178号(平成16年9月19日改正)、建設省告示第1401号および第1402号(平成12年5月30日)によって、各規格別の材料別の厚さなどの指定がされています。
不燃材料では20分間、準不燃材料では10分間、難燃材料では5分間条件を満たすものとされています。
これらを満たした材料の施工箇所には、不燃材料/準不燃材料/難燃材料といったラベルが張り付けられていることもあります。ですが、必ずしも貼り付けられているわけではなく、これらの材料をつかって、かつ資格を持った技術者が施工し、かつラベルを張り付けるための申請を行った時にだけ貼り付けられるものです。
大型の公共施設やホテル等、多数の人が利用する場所に設置された建材や内装インテリア材の床材、壁紙やカーテンなどによく見られますが、一般の賃貸住宅などではあまり見られません。
防炎は消防法第8条の3の防炎規制に規定されており、高層建築物や消火や避難がしづらい物件、人が多く集まるような定められた施設で、その他政令で定める防火対象物であるどん帳、カーテン、展示用合板では、火災発生や拡大を防ぐために防炎性能を有する物を使うよう定められています。
また、どんなタイプの設備等に対してどういった基準を満たさなければならないのかが個別に定められています。
またその防炎性能の定義は消防法施行規則第4条の3に規定されており、炎を当てている間は燃えるものの、炎を離すと燃え広がらない自己消火性をもつことだとされています。
この防炎性能の表示として、防炎製品そのものや施工されている場所に表示する防炎ラベルも存在します。多数の人が利用する物件など、指定された条件を満たす物件では、この防炎ラベルが付いた製品を必ず使用しなければいけないこともあります。
防炎ラベルは製品出荷とともに製品に貼付されているものや、クリーニングなどの都度薬剤等で処理し、その都度ラベルが付けられるものなどがあります※。(※日本防炎教会「防炎表示と防炎ラベル」)
お部屋探しの際に、不燃性能の高い賃貸物件を選んだにもかかわらずこうしたラベル表示がないという場合、かならずしもこういった材料を使用していないわけではありません。材料自体は不燃の材料を使いながら、ラベルの表示義務がない物件などのケースに該当するために施工後申請を行わず、ラベル表示が見られないだけといったこともあります。